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湯船に浮かぶ柚子のいい匂いに、「いいなコレは!」と機嫌良く白ひげがのんびりしているなか。
「お、おやじ。おれ、ふろからあがって、いいかよい?」
湯のあたたかさだけでは説明できないほど真っ赤になっているマルコが、蚊の泣くような声で訴える。
しかし、まだ1分しか湯に浸かってないので。
「ダメだ。」
あっさり却下され、もっとゆっくりしていけとマルコの右手を白ひげは掴む。
「ひ、一人のほうがゆっくりできるよい、オヤジ?!じ、邪魔な俺は出ていくから・・・・!」
「邪魔じゃねえから落ちつけ、マルコ。」
恥ずかしいから一緒の風呂は嫌だと、あわあわしているマルコを可愛いなと思いながら。決して出ていかせるかと、掴む手の力を強め。
「たまには、いいだろう?」
白ひげは、笑う。
「たまにじゃなく、いつもだよい!」と言う抗議は黙殺して。
「・・・・ああ、いい湯だな。」
マルコを傍に置いて、柚子湯を白ひげは堪能した。