おつるさん・女事業家。センゴク、元弁護士の執事という設定です。
『使えるか、使えないか。』
おつるにとって他者に求めるものは、それだけだ。
それ以外の関心を他者に向ける暇があれば、仕事に腐心する・・・・が。
最近、執事としてきた男の経歴が経歴なのでどうしても少しばかりの関心が向く。
・・・・凄腕の弁護士として名を馳せた彼が、何故いきなり弁護士を止めておつるのもとで執事なんてものになったのか?
とりあえず裏がないことを確認したあと、有能だからと採用してみたが。いまだ、そうなった経緯の理由は不明なので不可解極まりない。
気になるので何回か理由を聞いてはみたが、センゴクは顔を赤くして口ごもるばかりで一向に口を割らない。
だから、今も。おつるのためにお茶を入れている彼の真意は分からない。
けれど、まあ敵対する意志は今のところないみたいなので。
(まあ、いいか。)
おつるを裏切るような真似をしない限り、現状維持でいいかと。使える男だからいいかと、傍に仕えることを認め。
「どうぞ、お茶です。」
彼女好みの熱さのお茶を渡してくる男に、警戒をわずか緩め。
「ありがとう。」
かすか、笑って。礼を言う。
すると、途端に狼狽し。真っ赤になるセンゴクを、どうしたのかと見るが。
(・・・・・まあ、いいか。)
基本、他者に関心を向けないおつるは何事もなかったかのように渡されたお茶を啜った。
(・・・・・彼の真意は、恋心と同義だと。今の彼女は、まだ知らない。)
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